袴田京太朗
Kyotaro Hakamata
袴田京太朗は1963年静岡県生まれ。87年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業後、94年文化庁芸術家在外研修員として渡米し、ペンシルベニア州フィラデルフィアに滞在。96年五島記念文化賞美術新人賞受賞による海外研修として中国、チベット、ネパールなどに滞在。初期はベニヤ板やメッキ鋼板など、工業製品による空洞をもった彫刻作品を発表し、様々に素材を変えながら一貫して彫刻の本質を追究している。近年は「複製」をテーマに、既製品の一部にカラフルなアクリル板を重ね合わせた人型のシリーズを制作。彫刻の表面とその内部、本物と偽物の関係性を問う。
若狭真司
Shinji Wakasa
若狭真司は1984年神奈川県生まれ。作曲家/アーティスト。CM・映画音楽、ファッションショーやアートエキシビションへの作品提供や制作を行う。自身のアーティストワークにおいては静けさと抑制を意識しながら、響き/テクスチュアに根差した音と音楽の強度を信条とし、これまでに Rottenman Editions Label(Spain),Archives(Spain),Inner Ocean Record(Canada),Fluid Audio label(UK)等多数の海外レーベルから作品をリリースする。近年はテーマである死、境界と色、音楽の物質性に対して、立体音響を用いた場のアプローチを試みており、M.A.G.M.A Gallery、銀座Sony Park mini、The White等でのサウンドインスタレーションを展開している。
松原健
Ken Matsubara
松原健は1949年東京生まれ。「記憶」をテーマに、オブジェクトや反復する映像などを用いて作品を制作。個人的な気配を感じさせるいっぽう、撮影者不明の写真などを組み合わせて匿名性を付与し、作品を通して誰もが共鳴しうる記憶を喚起させる。偶然発見した古いスナップショットとその撮影地を実際に訪れた映像を対比させ、過去と現在の交差を試みた、「REPETITION - BOOK」シリーズ(2014)、小鳥を買いそれを放すことで功徳を積むという、東南アジアの仏教寺院での習慣に潜む人間の生き物への慈しみや、赦すという仏教の概念をテーマにした「放鳥」(2016)など。近年は東洋的な無常の概念、日本の「もののあはれに」に関心を持つ。近年の個展に、”The moon is beautiful” Kunst-Station Sankt Peter Köln, Cologne, 2024. “Utsuroi - A river runs through it” Galerie Eric Mouchet, Brussels, 2024. その他、国際的な映像作品フェスティバルへの参加など。