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ーご挨拶ー

春光天地に満ちる季節となり、
ご清祥のこととお喜び申し上げます。



MA2ギャラリーは本年3月の展示を最後として、
恵比寿から北鎌倉に移ります。



美しい光が差し込む独特な恵比寿の空間から、
古い歴史、豊かな自然と、

そして戦後の文化の気配が色濃く残る
北鎌倉という場所で、

建築家、堀部安嗣氏の力をおかりして
新たなかたちのギャラリーをつくります。



長年、恵比寿のMA2ギャラリーに
足をお運びいただきました皆さま、

一緒に展示を作り上げてくれたアーチストの皆さまに
心より感謝申し上げます。



なお、仕事業務はそのまま続行しておりますので、
ご連絡いただけましたら幸いです。



オープンまでにはお時間を頂戴しますが、

北鎌倉での再開の際には
どうぞよろしくお願い申し上げます。












関根直子 個展
「綺想する表面 - The Surface for Transformation」


2024年3月2日(土) – 30日(土)
13:00〜18:00
日、月、火、祝日(20日) 休廊 



私はこれまで色々な物事に影響を受けてきました。中でも文楽の舞台構造は造形の概念的支柱になり、ロスコチャペルの呼吸する光の空間は変容する質のイメージへ、スティーブライヒ「18人の音楽家のための音楽」は点描として色の世界を広げました。また松谷武判さんの造形性はジョイントパネルの発想になり、そして数万年前の洞窟壁画はそのジョイントパネルがつくる実態的な線と描画した線によるイメージの在り方へとなっています。こうした作品の世界感は、比較的、構造的な部分に反応しやすい私の特性が、見た目の世界だけでは乗り越えられない何かを求めていった先に見えてきたものなのだと思うようになりました。
この展覧会のタイトルは「庭の綺想学」という本の言葉が元になっています。“風景”は私の制作のテーマでもありますが、私が考える“風景”とは、単なる目の前の空間の広がりではなく、人に働きかけ、作用するものとしての風景です。現代の私たちはほぼ人が作った物や空間に囲まれており、それらは常に意図やイメージを含んでいます。そして風景は内的な要素をはらみ、私達の外でありながら内でもあると私は考えています。

関根直子




美術手帖Web版の「有識者が選ぶ2023年の展覧会ベスト3」(美術批評家 中島水緒さん選出)に

伊庭靖子展が掲載されましたのでぜひご一読頂けたらと思います。